ジェロントロジーは、老年学や加齢学と呼ばれる学際的学問であり、日本では歴史も浅いが、欧米では研究・教育・産業界との連携の歴史もあり先行している。研究分野も、老いのメカニズムだけでなく、社会の変化、心と体の健康、地域社会、医療介護、心理、衣食住、就労、家計など広範囲にわたる。
日本では、学会活動、IOG東京大学高齢社会総合研究機構、桜美林大学及び山野美容専門学校などが旗を振ってきた。最近になり、多摩大学や青山大学などが力を入れている。
しかし、まだ知名度は低く、日本が向き合っている「異次元の超高齢社会」が抱える複雑な社会的課題の解決を志向する上では、これからは実学として社会的にインパクトある実績をあげ、知名度をぐんぐんあげてほしい。
多くのジェロントロジーの訳語の中では、ニッセイ基礎研究所が推進している「人生を豊かにする、幸せの学問」が気に入っている。
草の根ジェロントロジーの「草の根」という表現には、地域力、地域コミュニティの視点からジェロントロジーを捉え直す(編集する)ことで、地域住民が「我がごと」として学び、意識と行動に変化を起こしてほしいという想いが込められている。