町内会・自治会の可能性(その3)虫の目でみる

虫の目とは、局所的に注視して見ることです。
今回は、町内会・自治会の基本的な活動内容と、一般的な課題の2点に絞ります。

まず、町内会・自治会の基本的な活動内容について、会長・副会長、その他活動班の2つに分けて、一例をあげます。

会長や副会長職の主な活動は以下の通りです。
・市への各種提出物(決められたもの)
・各団体の会合(総会)や学校行事等(入学式、卒業式、運動会など)への出席
・コミュニティ事業の補助金等の申請
・月次の会議等の運営
・総会に向けた準備(決算・予算・ルール変更など)

活動班の主な活動は大まかには以下の通りです。
・会計、総務、行事、防犯、婦人防火、自主防災組織など
・イベント業務(環境美化、まつりなど)
・管理業務(集会所、ごみ集積所、防犯灯など)

次に、町内会・自治会の一般的な課題についてです。
・役員のなり手不足
・役員の高齢化
・役員の負担が大きい
・加入者の減少
・市への提出書類が煩雑
などがあげられています。

町内会・自治会活動の停滞(社会の変化に取り残されている)の最大の要因は、会長職が1年任期であることは、自明であり、従来から指摘されていることです。それでも改善されていないのは、なぜでしょうか。

どんなに、やる気があっても、任期1年では、何もできません。たとえ、新しいことをはじめても、続く仕組みが定着せずに、すぐに元に戻ってしまいます。

やる気のある人が、まず複数年、会長職をつとめ、地域住民との対話を通じて、新しいことに挑戦する土壌を作ることが大切です。

その際に、とても重要なことは、100点を狙わないことです。右肩上がりの時代ではなく、先行き不透明な時代だからこそ、まずできることから小さくはじめて、その結果を評価してそこから学ぶことに優先順位を置くことです。言い換えると、試行錯誤前提なので、最初は30点でもいいので、すぐはじめることが重要です。

地域も企業も同じです。