町内会・自治会の可能性(その5)コウモリの目でみる

皆さん、コウモリは夜は、木の枝などにぶら下がったまま寝ることをご存知でしょうか。コウモリの目でみるとは、ものごとを逆さに、正反対にみることを意味します。

今回は、町内会・自治会がないケースと、町内会・自治会が広範囲で連携して広域のNPO法人化したケースをご紹介します。

まずは、町内会・自治会がないケースで、東京都武蔵野市です。

武蔵野市は、全国的にも珍しい、町内会・自治会(行政の下請け的な一般的な)がない市町村として有名です。よく、表面的にしか理解していない人が、町内会・自治会不要説を唱える際に、実例として紹介しています。

武蔵野市のHP等をよく見ると、歴史的な背景に加え、行政とは無関係の町内会・自治会は一定数存在していることがわかります。
また、コミュニティセンターを重視しています。具体的には、行政はコミュニティ協議会にコミュニティセンターの施設管理を委託して、個別の活動を補助金等で支援しています。コミュニティセンター(公民館に近い形)と地域の各団体(防犯や青少年育成など)とが連携して活動をしています。つまり、町内会・自治会は形式的にはないが、その代わりコミュニティセンターでの市民主体の活動は活発なのです。別の言い方をすれば、住民の自治意識は高いのです。
ちなみに、市の広報誌は全戸郵送です。

次に、広域NPO法人化のケースで、川崎市武蔵小杉です。

広域の町内会・自治会が統合して、NPO法人として、地元企業からの寄付金で、専門スタッフを雇用して運営しています。そのため、住民は雑務から解放されて、特に、現役世代がイベントの企画・運営に専念でき、より活発な活動が展開されています。その結果として、新旧住民(新住民:30〜40代、旧住民:高齢者)の融合が図られています。

今回、紹介した2つのケースは、今後の町内会・自治会のあり方を考える上で、とても参考になります。
まず大切なのは、地域住民ファーストで、目的をどう定めるかということです。

皆さんのお住いの地域の町内会・自治会の活動内容は30年以上前から同じではありませんか?

社会の変化から、取り残されていませんか?