ボールのようなことば。

皆さんは、日々の生活の中で、「ことば」について、どう感じていますか?

私は、日々、地域のさまざまな活動をしている方々や地域住民の方々と話をしています。その中で、「ことば」の重要性、例えば、どんな「ことば」を選んで話すかとか、その「ことば」を使ってどんなキャッチボールを楽しむかについて、反省(内省)の日々を過ごしています。

そもそも、自分には語彙が不足しているという自覚があったので、ここ数年は、意識して本や人の話で、気に入った「ことば」や表現は、ひたすらメモするようになり、今では習慣となっています。

自分の使う「ことば」に自信がないと、相手にちゃんと伝わっているか不安になり、複数のことば、違う表現など重ねると、話も長くなるし重くなりがちです。
一生懸命さだけは伝わるようですが。

ここで、タイトルの『ボールのようなことば。』は約2年前に出会った本で、今でもしょっちゅう手にとっている、大好きな本です。著者は糸井重里さん。

とにかく、たくさんの「ことば」がちりばめられていて、タイトルのように、「ことば」がキャッチボールのように、テンポよく、わかりやすく、軽く、ゆるく、そして気持ちいいのです。時には奥が深く考えさせられるものもあります。

また、「ことば」のイメージは、想像力や創造力の源であり、たとえやメタファーもとても重要です。この本はごく自然な文章の中に、たとえやメタファーが目立たずに、きちんと隠れているんです。

要は、私の今の目標が、まさに「ボールのようなことば。」を身につけていくことなのです。伝えているつもりでも、全く伝わっていないことがいかに多いか。世の中には、プレゼンテーションのノウハウなど小手先のテクニックはあふれていますが、「ボールのようなことば。」にはかなわないと実感しています。

ぜひ、一度手にとってみてください。おすすめの1冊です。

では、ほんの少し、本書から抜粋しておきます。雰囲気がわかると思います。

・あなたにいま必要なのは、ボールを蹴ること、ボールを投げることです。
目はルールブックを読むんじゃなくて、ボールの飛んでいった先の空を見るためにあるんです。
ボールは、すべてのはじまりです。もういっそ、あなたがボールになりなさい。

・「ゴールは遠いなぁ」と、がっかりするのも道のりです。

・「ないほうがいい」と、その規則がなくなる日を祈るような気持ちで、つくられる規則でなきゃ、ほんとはダメだ。

・人間の一生というのは、もう、食わず嫌いの連続だよ。

・見えないものとか、聞こえない声だとか、あえて言ってないこととか、うまく言えないままのこととか、そういうことのほうが、ずっと多いのだということを、ぼくたちは忘れそうになる。

・どんどん高く上れるということと、高くにも低くにも行けるということでは、だんぜん、後者のほうが自由なわけです。

・ありがとうを送り出す口もなかなかいいけど、ありがとうを受け取る耳だってとてもいいもんだぞ、おい。

・ああ、ほめあって生きていきたい。これは、ぼくの最大の夢だ。

・昨日は、25歳という人と話をしていました。でも、途中でわかったのですが、ぼくは、ほんとは相手の年齢はどうでもいいみたいです。すごい年上の人でも、たとえ未成年でも、結局、やりとりしているボールは同じなんだもんなぁ。

・十人いたら十色あるという、このゆたかさ、たのしさ、おもしろさをいいもんだなと思うなら、重箱の隅から目を離してさ、十色のちがいをたのしもうよ。
それとも一億一色で行きたい?