大人の責任(その1)

皆さん、9月23日、米ニューヨークで開かれた国連気候変動サミットでの、スウェーデン人の環境保護活動家のグレタ・ トゥーンベリさん(16歳)の演説を聞きましたか?

気候変動問題について、行動を起こしていないとして、出席している各国約60カ国の首脳や閣僚を非難しました。

ここで、演説の全文を紹介します。一度、熟読してみてください。

「私たちはあなたたちを注意深く見ている。こんなことは完全に間違っている。私はこの壇上にいるべではないし、私は、海の反対側で、学校にいるべきだ。それなのに、あなたたちは、私たち若者のもとに希望を求めやってくる、よくできるものだ。あなたたちは、空虚な言葉で私の夢と子ども時代を奪った。でも私は運がいい。人々は苦しんで死にかけていて生態系の全体が崩壊しかけている。私たちは絶滅に差し掛かっているのに、あなたたちが話すのは金のことと、永遠の経済成長というおとぎ話だけ、何ということだ。過去30年以上、科学はとても明瞭だ。目をそむけ続け、ここに来て、君は十分やっている、とよく言えるものだ。必要な政策も解決策もまだ見つかっていないのに。あなたたちは私たちの言葉を聞き、緊急度を理解したと言う。でも、どれだけ悲しみと怒りを感じても私はそれを信じたくない。なぜなら、もし本当に状況を理解しそれでも座視し続けているのなら、あなたたちは悪だからだ。私は信じることを拒否する。10年間で温室効果ガスの排出量を半減させるというよくある考え方では、気温上昇を1.5度に抑えられる可能性は50%しかなく、人類が制御できない不可逆的な連鎖反応を引き起こすリスクがある。50%という数字で恐らくあなたたちは満足かもしれない。でもこの数字はあなたたちが空気中に出した何千億トンもの二酸化炭素を、私たちの世代が、今の時点でほぼ存在していない技術で吸収することを当てにしている。だから50%のリスクは私たちにとって、単に受け入れられないというだけではない。私たちはその結果と共に生きていかなければならない。地球の気温上昇を1.5度に抑える確率を67%にするには、気候変動の政府間パネルの最善の見立てでは、世界のCO2排出許容量は4,200億トンだった、2018年1月1日の時点でだ。現在では3,500億トンを下回った。よくも従来通りの取組みと技術的な解決策で何とかなるなんて装うことができたものだ。今のレベルでは、残されたCO2排出許容量に8年半もたたずに達してしまう。現在、これらの数字に沿って作られた解決策や計画は全くない。この数字は都合が悪すぎるからだ。そしてそう言えるほども成熟していない。あなたたちには失望した。しかし、若者たちはあなたたちの裏切り行為に気付き始めている。未来の世代の目は、あなたたちに注がれている。あなたたちが私たちを失望させる選択をすれば、私たちは決して許さない。あなたたちを逃がさない。まさに今、この場所で私たちは一線を引く。世界は目覚めようとしている。変化が訪れようとしている。あなたたちが好むと好まざるとに関わらず。ありがとう。」

私は、この文章は、テーマを変えても、そのまま使えると感じています。

つまり、気候変動・CO2排出量というテーマを、別の環境問題なり、他の多くの社会的課題に、そのまま置き換えることができます。

大きな環境問題や社会的課題を前に、大きすぎて難しい問題だからという理由で、思考停止になっている多くの大人の責任とも言えます。

どんな問題でも、他人ごとでなく、自分ごととして捉えることはできますから。

皆さんは、どう思いますか?