階層を上へ上へ

ここでいう「階層」とは、マズローの欲求の6段階とティール組織の5段階を指します。以下の図の通りです。

先日、ある経営コンサルタントが、マズロー欲求6段階の図を使って、上場企業の幹部向けの研修で、同じ階層に止まった状態では、いくら能力やスキルを磨いても無意味であると、力説してきた話をされていました。

その経営コンサルタントは、同じ階層内での知識やスキルの獲得という「アプリ追加」を横の動きと説明した上で、意識の器の拡大、枠組みの変容という、この縦方向の上への動きを、「OSアップグレード」と表現していました。うまいたとえだと感心しました。

実は、これは、マズロー欲求だけでなく、ティール組織でも同じです。

同じ階層内では、同じ制約条件の中での話なので、残念ながら、大きな社会的インパクトは残せません。

異次元の超高齢社会かつ人口減少社会に向き合うために、イノベーション論議が盛んに行われている中で、この階層的視点は、意外と盲点になっていると思います。

皆さんは、どう感じましたか。皆さんの会社、組織及びチームはどうですか。

最後に、皆さんが具体的にイメージする上で、大事なことを1点補足しておきます。

階層を上へ上がるということは、下の階層を全否定することではありません。過渡期として、上下を行ったり来たりする柔軟性を認めることが大事です。つまり、2項対立として捉えるのではなく、バランスを取るイメージでいてください。そうしないと、実現への一歩を踏み出せないからです。